笑顔

「24時間戦えますか」時任三郎がビジネスマンに扮した、栄養ドリンクのCMが流れていたのは30数年前。働き方改革が叫ばれる昨今ではあり得ないが、当時はごく普通の事。かく云う私もサラリーマンの端くれだった。吹けば飛ぶような広告会社、その経営者がとんでもない人間で、今で云うパワハラ親父。人間のクズである。残業や休日出勤を社員にさすために帰らない、休日に用もないのに出勤して圧を掛ける所業。

安月給で社員をこき使い、自分はブランド物の服、外車、高級マンションとやりたい放題。当然、社員は年がら年中補充しても追いつかないぐらい辞める。仕事が出来ればまだしも、本人は何の能力もなく、評論家みたいなものだから、少しでも目端の効く人間ならばとっとと逃げ出しすのは当たり前だ。悔しいのはそんな会社に29歳〜45歳まで雇われていた事。要するに単なる馬鹿だったのである。

平日は終電間際まで働き、休日も出勤。時間が空けば浴びるほどアルコールを投入するのだから、嫁はたまったものではなかったと思う。年に一度、クリスマスイブだけは、ホテルを取ったり、家で手の込んだ料理を作ったりしてご機嫌取りに勤しんだが、当然、離婚する羽目となったのは結婚15年目の夏。よくぞそこまで我慢してくれたと感謝しかない。

今や寄る年波で、クリスマスイブなんぞは何の関係もないが、大昔の嫁の笑顔を少しだけ思い出すそんな日なのである。

「え!豊?マジか。余計な事しやがって」病み上がりで用なしのはずが、ズバコンで差して来たのに目を真丸にする北新地の盆暗。もっとも勝った川田Jのジャンタルマンタルは買っていたが、2着から6着まで一頭も拾えてないのだから、惜しくも何ともない。こんな漫画みたいなハズレ方は、並の人間では出来ない芸当である。それが先週日曜日の話しだ。

「マスターおはようございます。2歳はやっぱり判りませんね。マーカンドの下手乗りのせいで、レースが無茶苦茶になってしまいました」は、競馬友達のK君。「そうよな〜。あれがなけりゃ〜着順は変わっていただろうが、どちらにしても当たってねえだろう。まあ来ねえ馬をこれだけよく買うと、我ながら呆れてるって事よ」日曜日の朝に、いい泣きが入るのはお約束である。

「気分変えて行きましょう。暮れの大一番『有馬記念』なんですから」「へい、へい。ここまでやられたら毒皿で買うしかあるめえよ。発表!最強枠の5枠に入った武史が大仕事をする。イクイノックスさえいなけりゃ〜ジャスティンパレスは最強だ。馬連流し、相手、内から将雅のソールオリエンス、豊のドゥデュース、ムーアのタスティエーラ、謙一のスルーセブンシーズ、ルメールのスターズオンアースまで」

「5点張りですね。一目1万円ですか?」「イエスアイドゥーの坂田師匠だ。後、日頃オーナーにお世話になっているハーパーの単複を1千づつの応援馬券を買うか」「来たらドンちゃん騒ぎですね」「誰が考えても、普通なら来年に備えて放牧に出すだろうが、オーナーの強い要望で、友道のテキが頷いた場面を店で直に見てるからよ。馬券になるならないじゃなくて、無事に回って来て欲しいって事だ」

クリスマスイブ、横山武史Jの笑顔を見て見たい。

いざ!有馬へ。

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